おぎの先生語録




  荻野先生は、前駒沢大相撲部監督として、駒大を全国優勝へ導き、また学生横綱やアマチュア横綱を育てた名指導者です。
平成10年11月に突然おなくなりになられましたが、なくなる直前まで十数年もの間、東大に指導に来て下さいました。
その指導は的確で私達に色々な技を伝授して下さいました。
このおぎの先生語録は、おぎの先生から受けた技術指導などを後輩たちに伝えていくことを目的としてつくったものです。


相撲、稽古、作法
1、技に頼るな! 無理して無理して相撲をとれ!
2、勝ちたいと思うな、負けるもんかと思え。
3、自分の稽古は十番、十番気入れてやれ。
4、土俵を取りあえ!
5、先輩には勝つことが恩返しなんだ。
6、まじめすぎるよ! いたずらをしなさい。
7、芸術とスポーツは盗むものだ。
8、得手六人力。決め手を持て。
9、半ぱ相撲は分からないよ。
10、勝負が決まったら力を入れるな。
11、体を柔らかくしなさい。かたわ者め!!
12、一貫目で技ひとつ。
13、人間、素直にならなきゃだめだ。
14、どんな技もすべて一(い〜ち)なんです。
15、土俵には無限の広さがあるんです。
16、稽古とは一を聞いて十を知る、十よりかえるもとのその一。
17、強いか弱いかなんてどうでもいいんです。
18、しこを踏むときは音を鳴らせ。
19、人間、調、不調があるよ。
20、すり足は速く。
21、手塚!、学生横綱を狙え!!
22、まわしはへその下から巻け。
23、ぶつかりは一番大事な稽古なんです。
24、タオルはまわしに引っ掛けろ。
25、靴は出船にしなさい。
26、水は道場主からつけなさい。
27、毎日寝る前に水を一升飲め。
28、足で土俵を噛め。
29、『待った!!』は大きな声で言え。
30、寄りきりって技を覚えろ!
31、がぶり寄りをしなさい。
32、相撲の基本はハズだ。
33、草相撲は見たくないよ。
34、筋トレは絶対やらなきゃだめです。
35、気入れて!! 気入れないと怪我するよ。
36、じゃあ、とは何だ!!
37、だんだんよくなる法華の太鼓だ。
38、東大生らしからぬ相撲だよ。
39、重い人は前後の力が強いんです。
40、相撲のうまい人は、足は親指、手は小指を怪我するんです。
41、東大生は準備運動をしっかりやるからねえ、いいことです。
42、君の稽古をしてるんじゃないんだ!
43、ワンスモア!!
44、小さい人は引き足も重要。
45、仕切りは同時に合わせてやる。
46、首を鍛えなさい。
47、出稽古では完膚なきまでやっつけろ。
48、鏡磨きは大きく。
49、歯を治せ。
50、まわしは広げて干す。


技術論
51、もったいないのは食べ物だけ。
52、攻め込まれたら、まわり込め。
53、差しにいくときは、ひじを直角にしろ。
54、立合いは自然に手を出せ。
55、つま先が見えてるか!!
56、土俵際で巻け。
57、前みつは1歩目で取れ。
58、指は曲げて相撲を取れ。
59、相手が息をはいたときに技をかけろ。
60、相撲というのはヒジでとるんだ。
61、立合いは小さく、中に入って大きく。
62、叩かれたらひざを押せ。
63、吊られたら上手を切るんだ。
64、出し投げは連続してうて。
65、立合いの『とびちがい』をしろ!!
66、投げるときは肩を返すんです。
67、相手の頭のある方に攻めろ。
68、おちんちんを相手のおちんちんにぶつけろ!!
69、まわしを切るときは支点と力点がいっしょ。
70、足を取られたら、その足を引くんだ。
71、腕を極められそうになったら、ひじを曲げるんだ。
72、土俵際は下半身の力を抜け。
73、首を入れられたら、まずその首を抜け。
74、突っ張りはテンポを変えて。
75、頭つけられたら、あおりながら寄れ。
76、腕捻りは真下に落として引き上げる。
77、こまたすくいは足の先を持つんです。
78、網打ちをするときは足もかけろ。
79、組んだら相手に仕掛けさせろ。
80、のど輪はつかめ。
81、どんな技にも返し技がある。
82、上手は大きく取りにいけ!


試合、采配
83、先鋒から三つは同じ技が決まる。
84、Bで勝つにはスピードが必要。
85、オーダーというのは難しいんです。
86、大将は四つ相撲の取れる人じゃなきゃだめ。
87、もっと外蓮味を出さなきゃ。
88、監督というのは非情じゃなきゃならないよ。
89、敵も知らず己も知らずだよ。
90、入れ替え戦は強い方から出しなさい。
91、くじはマネージャーに引かせなさい。
92、試合は無心で。
93、試合前は験をかつげ。
94、試合前は選手は受けるな。


その他
95、優勝したらOBが祝勝会をやってやらなきゃきゃだめだ。
96、東大部屋っていう呼び方はいいねえ。
97、たまにだと犬の遠吠えにしかならないんです。
98、マネージャーがいると稽古場に潤いがあるねえ。
98−2、人は多い方がよい。
99、全員右四つになんなさい。
100、私もまだ高橋にだったら勝てるよ。
101、まゆ毛なんか気にしているんじゃないよ。
102、私なんて血も出ないよ。
103、相撲の強さには八段階あるんです。
104、自分のことを麒麟なんて言うもんじゃないよ。
105、押し相撲だけでは横綱にはなれないんです。
106、プロは相撲が下手だねえ。
107、ネイビーはみなトイレはウエスタンなんです。
108、満よ、もう家には来るな。
109、栃錦は真夏でも布団を書けて寝たんです。
110、ご愛嬌、ご愛嬌。
111、双葉山はかかとをつけないで生活していたもんだ。
112、東大のスクールカラーは大事にしなさい。
113、相撲はウインタースポーツです。
114、学生はタバコを吸うな!!


人生訓
115、人を楽しませたり喜ばせたりしなさい。
116、人間的なおもしろ味のある人になれ。
117、人と変わった経験をしなさい。
118、東大生は知識はあっても知恵がないよ。
119、田畑くんが靴をはいたらこの国は滅びますよ。
120、学生は金を使わず気を使え。
121、間違いと気違いはどこにでもあります。
122、世の中は義理と人情で動いているんだ。
123、立って半畳寝て一畳、天下取っても四合半。
124、地元を誉めなきゃダメ。
125、酒はちびりちびりといくもんだ。
126、好きなことはずっと続けなさい。


特別編
127、試合前の山のつくり方、塩のまき方。
128、荻野チャンコの作り方。
129、荻野先生最終講義。